合奏の心構え
合奏の心構え
ワシントン大学芸術学部の吹奏楽の授業がDVDになりました。このDVDは、本来その前にあるべき『音楽の目的』から考えようとしたDVDです。つまり、「どんなサウンドを目指すのか?」そして「何を伝えたいのか?」から考えようとしているDVDです。一見遠回りのような感じがしますが、これが本当の音楽のやり方だと信じて作りました。そして、これが限られた時間しかないメンバー達の音楽への「最短距離」だとも思っています。
音色 — 全ての大前提
■姿勢
姿勢は息が流れる道を作る重要なポイント。でも案外見逃がしがちな重要項目です。楽器の特性に合わせて良い息が出る姿勢を実験を交えて解説します。
■息づかい
言うまでもない重要項目。講義ではあっさり、でも合奏ではしつこく…
■口の中の形
これも息の通り道のお話。決定的な音色向上方法を紹介。
■アンブシュア
姿勢とアンブシュアの意外な関係を解説。
■楽器はアンプ
ピッチも音色も結局楽器の問題以前に吹き手の問題。当たり間の話ですが、いつも当たり前に考えられないのが人間ですね。
ブレンド — 新たな響きを創り出す
■溶け合って生まれる新たな音色
吹奏楽最大の楽しみの一つ、音色の創造。一番差の出る部分では…
■ブレンド・チューニングの手順
「ブレンドできればチューニングは自然とあいます。」とソルツマン教授。
バランス — ブレンドのための知識
■縦の役割分担の自覚
日本で「縦」といえばリズムの事かも。ここでは全てを含んだ音楽の「縦」を考えます。これがブレンドの肝。
■横の流れの認識
「縦」に対して「横」はもっと音楽的要素の強いお話。物語をどう作るかといったところでしょうか?ここから次の「合奏の組み立て方」へとつながります。
合奏
ラフマニノフの「晩祷からの3つの祈り」という、とても美しいコラールを使用して、講義の知識を活かしながら「ブレンド」の訓練をします。指導が進むにしたがって、音が混ざり合う様子がお分かりいただけると思います。
ウィートンカレッジとノースイリノイ大学の音楽科を卒業。シカゴシンフォニーのアーノルド ジェイコブ(Tuba)に師事。アメリカ各地の大学でバンドディレクターを歴任し、合衆国政府や各州より多くの賞を受賞。マーチングバンドのトレーナーとしての経験も多く、世界最高峰の大会DCIにて、サンタクララバンガードやキャバリアーズなど多くのチームをチャンピオンシップに導く。現在、ワシントン大学芸術学部大学院にて指揮法の教鞭をとるかたわら、学内コンサートバンドのディレクターを兼務。その他にも有名楽器メーカーの指導員も勤める。また、各音楽出版社でのエクササイズ集やアレンジ譜の出版、吹奏楽専門誌の執筆も多く、ミッドウェスト・バンドクリニックやアメリカ海軍軍楽隊などへの譜面提供を積極的に行う。アメリカを代表する吹奏楽指導者の一人である。